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戸別所得補償制度の高いリスク [政策]

4月19日(月)

農業政策というより選挙対策

WEDGE」スペシャルリポート(4月号)は、興味深かった。私は「WEDGE」の愛読者でありますが、この薄い月刊誌は、時々「ほんと、そうだよなー」とうなずかせる記事を特集します。今回も「そうだなー」でした。

実は「WEDGE」は、東武動物公園駅の本屋さんには売っていないのです。「ありますか?」と聞いても店員は首を傾げるだけ。                              ところが、都心(それも、官庁が集中している中心部)の地下鉄ホームの売店にはいっぱい、それも目立つところに置いてあります。「WEDGE」は、かなり地域限定です。

補助金どっぷり 農業・・・

目を引いた記事というのが「戸別所得補償の問題点」、表紙の見出しは、もっと激しい表現で、<補助金どっぷり 農業ぽっくり!!

「自給率向上」という大義名分を掲げ、零細農家へのバラマキが堂々と行われようとしている、とこの月刊誌は警鐘を鳴らしています。食料自給率を上げなくてはならないのは、国民のほとんどがそう思うでしょう。カロリーベースで、40パーセントという日本の食料自給率は、先進国中最低水準です。この点を政策に掲げるのは民主党も自民党も間違いではありません。

しかし、安易な政策は、農業の将来を不安定にすると、民主党農政の危険さを解き明かしています。

戸別補償という新型の補助金選挙対策

民主党農政は、戸別所得補償という稲作農家を対象にした新型の補助金で、2010年度予算で、5600億円を計上しました。

この仕組みは、政府はコメの㎏あたりの生産費を計算し、市場価格との差額を政府が農家の指定口座に、直接入金するものであります。

3月中ごろ、私が参加した学習会でのデータを示し、自民党時代には、研究・調査費、モデル事業といったエンドレスな補助金事業にお金を出し、外郭団体や独法が潤う、あるいは天下り団体が減らない原因を作っていた、その結果、農家1軒あたりに換算すると67万円の補助金が使われていると、お知らせしました。  

その意味では、農家1軒1軒に直接入る補助金ということで、今度の農政は新しいといえます。つまり、市場価格がどんなに低迷しようともコメさえつくれば利益は保証される仕組みです。

しかし、農家はコメの増産意欲が湧く(品質は別です)、コメが余る、米価は下がる、政府が農家に払う金額が増えるというスパイラルを生みかねない、と記事は行っています。このスパイラルを防ぐために、当然農家には減反を義務付け、他の作物への転換も迫る、というわけですが・・・。

減反に協力しているかどうか、市町村はチェックしなければなりませんが、これまでの減反政策は、ほとんど成功していないというのが現実ではないでしょうか。

日本の食糧自給率が、先進国中最低なら、補助金も最悪という使い放題の日本の農政。根本的な解決にならないで、早晩、財力が尽きるのは目に見えている。

「WEDGE」は、わざわざ稲作を補助金依存症にしておいて、やがて補助金が切れるのだから、突然死(ぽっくり)を強いているようなものだ、と容赦ない。

濡れ手で粟をすくいたい農家

日本には200万戸の農家がありますが、主として稲作で生計を立てている農家は8万戸です。あとは農業外収入に頼っています。でも、農地は資産です。将来転用して濡れ手で粟の利益が得られるかもしれません。というより先祖代々の農地、相続税も軽いし、できれば維持し、できれば補助金をもらいたいのは人情だ。

自分で耕作出来ない農地はとりあえず貸したり、まがりなりにも作っておくという「とりあえず農家」「偽装農家」は、実は多数派であります。一方、(いわば町工場の熟練の腕をもつ)真正農家は、農業に打ち込もうと思っていても、とりあえず耕作していて大型商業施設がやって来るときを待つ「とりあえず農業」の多数派からは、チャンスが来た時に足を引っ張る存在にしかならないことも。

農地のあらたな活用の転用機会が舞い込むまで維持し、転用の機会を待つには新型補助金はまことに都合がいい。

つまり、農業の高齢化も耕作放棄も、偽装農家の〈処世術〉に使われている、と「WEDGW」は遠慮が無い。意図的に担い手不足を作り出すことで、さらなる補助金を用意しなければならない。このシナリオに民主党の戸別所得補償は、ぴったり応えたのだと。

偽装農家は、転用機会の確保のためなら、新規就農者を排斥することもあります。  高齢の農業者が新規就農者に農地を貸そうとしても、将来の相続人(都会に住む子供)に反対されることになります。まじめに農業をやる人に貸し出し、売り時を難しくするより、高齢の親に「ドンナやり方でもいいから続けてもらい、どうしても出来なくなったら耕作放棄してもいいよ」という算段、になってしまう。

「WEDGE」は言う。問題は少しも解決していない。あらたな補助金による、あらたな「票田」対策だ、と。

農業委員の時

たしかに、農地、農業問題は、後継者問題・生計の問題もあるけど、処世術の面も否めない。

私は、町議の2年目から3年間、農業委員をさせてもらったが、そういった面が無くもなかった。

町内のある農家は、「娘の宅地にしたい。農地を転用したい」と、転用許認可願いを出しました。農業委員会は、許認可申請が出ている農地を念入りに調べて、農業委員会総会で報告し、判断材料にする仕組みに変えて、透明度が上がったときでした。    このとき申請が出ている当該農地をくまなく視察する当番だったのは私(ともう一人)でした。

おいしいコメが出来る優良農地は、「娘の家新築」のため転用許可が出たので、調査結果を説明しましたが、「娘のためだからやむをえない」と、農業委員会は転用を許可しました。 

でも、あれから8年経っているのに、娘の家は建っていない。あいかわらず、稲作が行われています。「その後」の追跡調査を実施する仕事は、農業委員会にはない。    明らかに、にわかに高まった農地の値上がりをねらった転用許可申請だったと、私は今思っているのですが、さて どうなのか?


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コメント 1

匿名

>農地のあらたな活用の転用機会
残念ながら、公共事業費は削減されるので転用機会も無くなります。
更に郊外のインフラ維持費をカットする為に大型商業施設の新規出店も規制強化するでしょう。
間接農業所得保障(公共事業)が直接保障に変わるだけです。

by 匿名 (2010-06-18 19:18) 

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